これまでの僕は、関係代名詞のあとに、簡略化されたものとして現在分詞・過去分詞を扱ってきました。新しいNew Horizon3では、現在分詞・過去分詞が先に登場します。関係代名詞の指導をしてから、段階的に現在分詞・過去分詞というPPPの流れではなく、どちらも「使いながら学んでいく」という流れでまとめて扱うことはできないか?を考え、個人的に興味をもって学んでいるTBLTの指導への転換にチャレンジしました。
タスクについて
今回は、日本人生徒とクラスメイトの外国人生徒が、ある友人の情報をもとにして、その人物に最適なものや人を決めるために、意味交渉を行いながら合意形成を行っていきます。インフォメーションギャップのタスクであるため、AとBの2枚のシートをそれぞれがもちインタラクションをします。タスクの中で、場面が移り変わっていき、そのたびに会話を切り出す人物がAとBで変わっていく工夫が施されています。
タスク活動で使うワークシートは以下のAとBの2枚です。
自分自身のアイデアではなく、次の書籍をもとにして作成しているため、モザイク処理をしています。詳細を知りたい方は、ぜひご購入ください。
授業の流れ
- プレタスク:前述のAとBのワークシートをもとに目的や場面・状況の把握。制限時間などの説明。言語形式は指定せずに自由に活動させる。
- タスク活動(1回目):タスクに取り組んでいる間は、できるだけアドバイスや誤りの訂正は控える。必死に伝えようとしている内容面に目を向けて机間指導。
- 言語的側面の学習:理解型タスク(と呼べるかわからないが…)で言語形式に目を向けさせるために、次のワークシートで該当する人や物を選ばせる。その後、板書で下線や矢印を示し、各自プリントにも写させる。詳しく説明しすぎることは避けた。
- タスク活動(2回目):相手をかえて同じタスクに取り組ませる。準備時間をとるほどに、生徒の意識がどうしても形式に向けられるため、すぐに活動に入らせた。
- 振り返り:内容面、言語面において向上した点や課題の共有。また、改めて文法解説プリントと板書を使って、関係代名詞と現在分詞・過去分詞についての文法説明を行った。
まとめ
これまではPPPの流れで、関係代名詞から段階的に現在分詞・過去分詞へという流れでした。しかしタスクベースの授業を行うことで、「言いたいけれどうまく言えない」という状況を仕組みながら、新たな言語形式との出会いを演出できました。それによって、生徒が自ら必要感をもって使ってみようと四苦八苦している姿が印象的でした。
特に関係代名詞などの後置修飾は、教室環境の中で使用場面を生み出すのに苦労をする言語材料です。今回のようなタスクベースでの授業展開では、その形式だけでなく、どんな場面で使われるのか、どんな機能をもっているのかということも体得させることができました。これが、今回のチャレンジでの最も大きな収穫であったと思います。
今後は、活動後の中間指導や振り返りにおいて、どの程度言語形式について触れたり、練習の活動を入れるべきなのかなど、これからも改善に努めたいと思います。