書くことに対して抵抗感を多くの生徒がもっていると思いますが、友達とのつながりの中で楽しく継続的に取り組ませることができる。それがリレーノートです。今回は僕なりの実践を記録に残しておきます。
リレーノートって?
要するに、英語でやる交換日記です。ただ、テーマはその都度変わっていくので、日記になるとは限りません。以下の本で紹介されています。
リレーノートはこんな感じ
4線ノートを3文の1ずつにカットして、表紙と紐を通して完成です。このノートを初めて見た先生は、「え?かわいい!こんなノートあるの!?」と言われますが、手作りであると伝えるとより一層驚かれます。
提出日にはたくさんのノートが集まってうれしく思います。僕だけでなく、ALTもいつも読むのを楽しみにしてくれています。
リレーノートのルール
1年生バージョン
- まずは質問に対する自分の考えをズバリ書く
- 感想、理由、具体例をつけ足す
- 文章の最後は、改めて最初の質問を書いて、次の人に問いかける
- 辞書をしっかり使って書く
- 1人1ページびっしり書く
- 指定された日の朝の会までにメンバーで回して提出
2・3年生バージョン
- 賛成か反対の立場を明らかにして意見を書き始める
- 書き終わりはWhat do you think?で次の人に問いかける
- しっかり辞書を使う
- 1人1ページびっしり、がんばって書く
- 指定された日の朝の会までにメンバーで回して提出
※2・3年生ではIt for to / 比較 / 接続詞 / 賛否 / 引用 などの表現を学習したり、ディベートのような意見が対立するテーマを仕組むことができるので、内容もどんどん深まって楽しくなっていくと思います。
リレーノートの作品例(1年生)
1年生では、時制の使い分けができることが大切な技能の一つであると思います。そのために、現在形を使うテーマ、過去形を使うテーマを毎回変えてやってみました。
- まずはテーマを指定し、僕自身が書いて生徒に渡す(過去形を使わせる)
- グループ内で回す
- 回収して僕とALTでチェック
- 新たなテーマで僕自身が書いて渡す(現在形を使わせる)
- グループ内で回す
リレーノート成功のコツ
- 1周の期間は長すぎず短すぎず(僕は1週間でやっています)
- 人数配分は多すぎず少なすぎず(3人がちょうど、4人がギリギリ1週間ぐらい)
- グループ内で一応順番は決めるが、欠席者がいた場合は後回しでとにかく回す
- 教師はテーマ指示だけでなく、モデルとしての文章を示す(生徒との人間関係づくりにもなる)
- ぜひ使わせたい文法・表現などの既習事項は、教師の文章内にハイライト
まとめ
1人1台端末の時代ですが、何もかもデジタルにしてしまうのは味気ないなと思っています。特に「書くこと」に関しては、文字に人柄が表れるものだと思います。だからこそ、リレーノートはデジタル化せず、アナログのままでやっています。友達が書いた味のある文字には、その人の思いや温もりを感じることができます。
個人課題ではなかなか前向きに取り組めない生徒も、何とかバトンをつないでくれています。友達には迷惑をかけれないという思いが働くのでしょうか。もしくは、人とつながることが喜びになるのでしょうか。とにかく、自分が次の人に必ずノートを渡さなければければならない!という思いになるようです。そういう意味で、様々な状況や実態の生徒たちが一つのノートを介してつながることができるのです。コロナ禍で人間関係づくりにも影響が考えられるなかで、リレーノートにはまだまだ大きな可能性があるように感じています。今後も実践を続けながら、さらなる工夫をしていきたいと思います。