English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

【新課程版】今こそ、初心にかえって自分の指導を見直すとき

 新課程での授業が4月からスタートし、あっという間の1学期が過ぎ、気づけば2学期もスタート。1学期を終えた時は、新しい教科書での指導にも少し慣れ、このままの流れで2学期以降もやっていこうと思っていましたが、久しぶりに夏休み明けに授業をしたところ、「あれ?」と手ごたえのなさを感じました。その理由を探りながら、自分の指導を見直していきます。

生徒たちとの距離感が遠い

 久しぶりに授業をしてみて感じたのは、生徒たちとの距離感です。コロナウイルスパンデミックの影響もありながら、何とかペアワークやグループワークはやってきました。むしろ、これまでよりも積極的に取り入れてきたと思います。生徒のコミュニケーションの機会はしっかりつくってきた自信はありました。

 だからこそ、久しぶりの授業で生徒たちの淡々とした、よそよそしい雰囲気には言葉を失いました。しかも、それは自分の所属している学年ではなく、授業だけを担当している他学年のクラスでの授業で特に感じました。コロナ禍での生活の影響が全ての原因であれば、どの学年のどのクラスでも共通に感じたはず。ということは、自分自身の指導や関わりの中に原因があるのは間違いない。

指導法や教科書の進め方で頭がいっぱい

 指導要領が変わり、これまで以上に先の見通しをもって授業することを大切にしていますが、しっかり単元計画やゴール設定をしたからこそ、その指導計画を達成することが優先になりがちに。

 また、新教科書に変わったことから、新たな語彙や言語材料、教科書本文の扱いなど、授業準備の時間は増大。ついでに、内容の増えた教科書を効率よく消化していかなければいけない焦燥感もありました。だからこそ、せっかく準備してきた流れどおりに進めなければ!という意識が強くなります。さらに、より良い指導法を試行したり研究することにも、指導要領が改定したからこそ意欲が湧いていました。

生徒が道具になっている

 指導計画の達成、語彙や言語材料の扱い、教科書の進度などで頭がいっぱいになっていました。また、この数年間、特に新学習指導要領や新しい評価、これから求められていく指導について、たくさん勉強させていただく、貴重な機会や出会いに恵まれていました。だんだんと、それらの学びが「こうあるべき」や「こうやらねば」といったものに変わってしまい、頭でっかちになっていたと思います。

 そこで、初心にかえって、何度も何度も読んでいる次の本を読みなおしました。

不思議なもので、何度読んでも新たな発見があります。次の言葉が心に突き刺さりました。

道具が授業の主人公となり、主人公たるべき生徒が道具の地位に堕ちている

本来は最も考えるべき「生徒はどう思っているのか」ということをないがしろにしてしまったと気づくことができました。そこで、つぎの3点を大切にしようと決めました。

  1. 子どもたちの魅力を生かし生き生きと心の開放をさせる
  2. やってみたい、やる価値があると思えるタスク設定
  3. 1つ授業が終わるたびに、生徒同士、生徒と僕の距離が縮まる

具体的には以下のように改善しているところです。

居心地の良い集団づくり

 英語を使って自分自身のことを伝える上で、話したくない相手がクラスに多いほど、コミュニケーションは成立しないことが増えます。英語の授業では、クラスが居心地の良い集団になっていることが不可欠です。授業がうまくいったときには、担任の先生の学級経営に感謝することを心がけています。その反対に、英語の授業が学級経営にもプラスの効果を生み、担任の先生を助けてあげることができるようにもがんばりたい。

そのために、以下のことを重点的に意識しているところです。

  • 話し方と聞き方の指導
  • 教師がまずは自己開示

授業を進めることばかりに気を取られて、「生徒にやらせる」ことばかりが増えてしまっていたと思います。僕自身が自分を開ききっていないのに、生徒が「先生ってこんな人」と分かるはずもなく、いつまでも気を使っている状態が続いているわけです。まだまだ、1学期でクラスができあがっていない段階だからこそ、まずは「教師自身がやってみせる」ということが大切。

学びの磁場をつくる

 生徒たちの意見や個性を大切にするために、生徒が「伝えたい!」と思う仕組みを考える必要があります。つまり、お互いの意見のギャップ(対立・違い)をもとにした活動を仕掛けることが不可欠です。そこで、以下の活動を継続しています。

  • Small Talk (S-S/T-S)→Speech
  • リレーノート

※リレーノートについては、以下を参照

毎回のルーティーンづくり

 3年間の長いスパンで身に付けるべき基礎的なトレーニングは、毎時間継続してやっていきたいと思っています。最低限、次の活動は毎回やっています。

  1. (休み時間)音読 / Quizlet音声チャレンジ →last Sentence Dictationに向けて
  2. (開始後)Last Sentence Dictation →自学・音読の動機付け、音と綴り
  3. →楽しさ、発音
  4. 英文法マスター →既習文法の操作練習
  5. Word Quiz →Describe/Paraphraseの練習&関連質問の練習
  6. Small Talk →やり取りの継続・自己開示・内容面の充実

それぞれの活動については、以下の記事を参照してください。

つながりのある活動・タスク

 生徒たちの英語学習への意欲を少しでも高めることができるように、以下のことが大切だと考えています。

  • やるべきことが明確かつシンプル
  • 授業と家庭学習が連動している
  • 楽しいから自然とやってしまう
  • 苦しいけど、力がついていると実感できる

これまでは、やるべきことが増えるたびに、活動を考えては試してきました。その中で、たくさんの失敗もしてきたことが、今の自分にとっては財産です。やる価値のあることと、そうでないことを見極めることができはじめた実感があります。今までは、足し算で授業づくりをしてきましたが、活動をそぎ落として、引き算で授業づくりをすべき時が来たと思います。

 そこで、3年間の指導の見通しを練り直すことにしました。シンプルかつ、それぞれの活動につながりが生まれるように再構成しました。詳しくは、以下の記事を参照してください。

まとめ

 新課程での指導が始まったばかりの今だからこそ、前進しつづけるのではなく、「あれ?」と異変を感じた時には、勇気をもって立ち止まることも大切だと思います。生徒たちのために、今後も微調整を繰り返しながら、もっと良い英語教師を目指していきます。