English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

夏休みの宿題を通して、自律的学習者の育成を目指す

 新課程の3年目に入り、知識・技能を鍛えること、思考・判断・表現の場面を設定して取り組ませることにバランスよく取り組むことが大切であると実感しています。そこで、授業と家庭学習の連動を一層意識して、知識・技能の定着を促すために、準拠ワークではなく、Talk and Talkを使用する原点回帰をしました。

夏休みの宿題をどうするか?

 「夏休み=夏休み用のワーク」としてしまうと、結局は依然と同じで学習量不足であったり、受け身の学習になり「答えを丸写し」という生徒もたくさん出てくることが予想されます。そこで、「夏休み=知識・技能強化期間」として、復習中心の学習に取り組んでもらおうと思います。夏休み用の新しい教材を配るのではなく、普段から使用している教材を何度も繰り返し使用していくことが大切だと考えて、以下のようなシートを作成しました。冊子として配布できるように印刷・製本をして、夏休み明けには、この記録を提出してもらおうと考えています。

 夏休み明けのテストは、「丸出し問題」としてTalk and Talkやたてよこドリル、Quizletから、そのまま出題することを予告しています。このテストは記録に残す評価にするというよりも、生徒たちの動機付けにすることが意図です。(普段の定期テスト・単元テストは、文脈のあるテストにして丸暗記にならないようにしています。)

 シンプルなテストであれば、生徒たちが、そのテストで力を発揮するために何をすべきかを把握しやすいため、学習方法を考えやすく、学習意欲につながると期待しています。そして、基本的には毎日の学習をしてもらいたいと伝えようと思いますが、学習量や方法は自己決定しながら取り組むことができるので、個別最適化を図ることもできると思っています。

 昨年度の取り組みをブラッシュアップしてつもりですが、うまくいくことを願っています。

追記(始業式後)

 生徒たちの英語学習の取り組みを回収したり、声をかけながら一人ひとりの反応を見てみました。配布した冊子には、一人ひとりに頑張ってコメントを書いていきました。

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 自己申告なので実際のところはわからない部分もありますが、やる生徒とやらない生徒の差は歴然になってしまいました。また、ここまで育ててきた3年生の方が、1年生に比べると量、質ともに良い取り組みができていました。目標に向かってその都度、微調整しながら学習したり、まんべんなくバランスよく学習を進めたり、粘り強く毎日少しずつでも継続したりという、英語学習をする上で大切だと体験的に感じてきたことを、3年生は生かすことができているからだと思いました。思ったことをメモしておきます。

  • 3年生の方が自己分析、振り返り、自己調整の力はかなり高い。
  • 夏休み期間中に、自学ノートを2冊分も勉強してきた猛者がいる。これまでも自学にしっかり取り組んでいた生徒ならでは。
  • 英語が苦手なのに、自学ノートに毎日の日付をあらかじめ書いて、毎日勉強している生徒がいる。取り組みやすい「たてよこドリル」を中心に練習していた。受験を見据えて変わろうとしているのだ。
  • 1年生には、夏休み明けのテストはどんなものか?を理解できるように、夏休み前にお試しバージョンをさせておけばよかった。そうすれば、推奨されている方法の意図がわかる生徒も増えるだろうし、自分なりにカスタマイズする気持ちも生まれるだろう。
  • 課題テスト(課題の丸出し問題)はGoogleフォームで自動採点で作ったが、書くことがまだ不慣れな1年生には良い配慮だった様子。
  • 1年生は1学期に音声面中心でやっていたのに、スペリングを覚えておかなければ答えられないような問題が多かった。テスティングポイントをはっきりさせないと、こちらが見取りたいところに至ることができずに不正解の生徒が多かった。生徒の発達段階、実態の認識不足。(その部分だけ改編して再挑戦テストしようかな。)3年生は対応できていた。

参考文献

これらの取り組みは、以下の書籍を参考にさせていただいています。