English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

1対1で向き合うと、生徒が元気になる。

とある田舎の公立中学校の教師の頭の中 

 いろんな状況の生徒たちがいる。ファストラーナーたちは、こちらの理想どおり、もしくは想定以上にどんどん学ぶ、定着も早い、応用もきく。なかなかうまくいかない展開になったとしても、柔軟に対応する。でも、現実はそんな生徒ばかりではない。一人も取り残さないために、やらねばならないことがある。

 では、自分の授業を振り返ってどうだろう。この新課程の2年で、一斉指導の理想的な授業のあり方をたくさん考えることができたように思うし、スキルアップできた実感もある。そんな授業でどんどん伸びていく生徒たちは、かなり限られてしまった。置き去りにしたつもりは全くないし、最善を尽くしたつもりだけれど、結果としてはそうなってしまったのだろうか。学力は二極化が進んだ。

 苦しい生徒たちは、そもそも知識・技能の部分でつまずいているようだ。何とか彼らをサポートしたいと思った。そうなると、ひたすらワークやプリントを解かせっぱなしでは身につかなかった。手取り足取りのサポートが必要な生徒も、実際のところかなり多い。声をかけて背中を押してあげる。本当にできるようになったか確認し、改善のためのアドバイスをし、できるまでとことん付き合う。そんな、個別に1対1で向き合うプロセスが必要になる。

 自学ノートで家庭学習のサポートをしてきたつもりだった。でも、何かが欠けている。そこで、中2の終わりから知識・技能を高めるべく、原点にかえってTalk and Talkを改めて使いはじめた。授業でも家庭学習でも本当に活用できる教材なら良かった。僕にはTalk and Talkしか思いつかなかった。そして、中3がスタートして数週間が経った。今日までの授業では、生徒たちがトレーニングした成果を、1対1で個別に確認する時間をかなり費やしている。

 すると、どうだろう?この前まで辛そうにしていた生徒たちが、目の色を変えて必死で取り組んでいる。合格して、僕や周りの仲間と喜びあっている。授業時間が終わっても、友達に分からないところを質問している。家で勉強する生徒が増えている。

 さらに相乗効果も感じる。授業スタートのあいさつが元気だ。トレーニング的な授業だけではなく、ディベートの土台づくりとして、求めることを高めてALTとトピックを工夫して仕掛けてみる。そんな授業でも、なかなか意欲的だ。粘り強く取り組む生徒が増えたのではないだろうか。

田尻悟郎先生の言葉

 ここで、NHKのプロフェッショナルでの田尻悟郎先生の言葉を思い出した。

やっぱり、先生と1対1で話をしないと、本当に自分は可愛がられているんだろうか、大切に思われているんだろうかということに関しては、自信がないと思うんですよ、子どもたちって。1対1で目を合わせて、「頑張ってるなぁー」というメッセージを伝えてあげるのはすごく大切なことです。(インタビュアー: そういうふうに、大切に思われていると感じることは、学ぶとか勉強するということに、とても大事ですか?)すっごく大切だと思います。本当に全ての根底になると思います。

時代は変わっても、子どもたちと共に過ごす教師として、これからも変わらず大事にしなければならないことがある。生徒たちのおかげで、新課程3年目の良いスタートが切れたと思う。

僕が大切にしていること

 きっと、生徒の変化の要因は一つではなく、複合的に絡み合っているはず。過去記事の内容も、大切な要素の一つだと思う。

参考資料