English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

初見の英文を読み、自分の考えや意見を述べさせるために(アウトプット編)

前回の記事はこちら。

今回は、読んだ英文に関して意見をもたせるために、僕が大切だと思っていることを書いていきます。そして、その力をつけるためにどのような活動をしているかということも書いています。

意見をもつための下地

 そもそも、僕はこんな風に軽く考えていました。「英文を読んだ後に発問を与えさえすれば、生徒が勝手に意見を言ってくれるだろう。」

 そんなことは全くありませんでした。日常的な話題ならまだしも、社会的な話題に踏み込んだ時に、自分の意見をもっている中学生はほとんどいませんでした。ましてや、日本語であったとしても同じことです。

 そもそも、物事に対して自分の考えをもつ習慣のある生徒ばかりなはずがありません。自分自身の中学生時代を振り返ってみると、容易に想像がついたはずなのに。

 むしろ、ニュースや新聞、SNS、他者の話からの情報を、何の疑問も持たずに鵜呑みにしてしまう生徒たちは多いと思います。それは大人も同様です。フェイクニュースのあふれる世界で、きちんと情報をとらえ、自分の考えをきちんともちながら生きることは大切であると同時に、難しい…。

 そんな状況の中で、まずは積極的に新聞、ニュース、インターネットなどで情報を取り入れようとする習慣を作ることが必要だと思います。また、それらの物事を、すぐに鵜呑みにしない習慣も大切です。つまり、正しい情報かどうかを常に考えながら、物事に対して「問い」をもつことができるようになってほしい。

 日本語でも身についていない習慣を、英語で身につけるというのは、かなりハードルが高いです。まずは母語である日本語での取り組みから始めることが有効であると思います。

 例えば、日本語で新聞を読ませて、疑問や意見を考えさせたり、日本語でのディベートに取り組ませたりと、物事を多面的にとらえるトレーニングをしていくことが良いのではないでしょうか。場合によっては、個人の取り組みというよりも、教科や学年の枠組みを超えた、学校全体のプロジェクトが必要になるかもしれません。

 そこで培われた下地を汎用的に使いながら、英語の授業においても、批判的、多面的に物事を捉えながら、自分の意見や考えを発信させることができればと考えています。

 これはかなり理想論だと自分でも思います。しかし、学校の組織の中でも中堅という立場となり、自分のクラスや教科以外でも、様々な役割を与えていただくようになった今、少しずつでも現実に近づけることができるように努力しているところです。

 具体的に、英語の授業においては、浜島書店から毎朝配信されている「じゃれマガ」を使わせていただいています。

ジャレマガのプリントづくり

 次のようなプリントにして配布しています。

レベル1(日本語で感想や考えを書いてもOK)

画像5

画像6

レベル2(既習の文法・表現、本文の内容に従った質問を与える)

画像3

画像4

レベル3(感想や意見を求める)

画像5

画像6

プリントの工夫

 WPMがすぐに計測できるように、早見表をつけています。教師は読み始めから、タイマーや黒板に数字を書いておくなどしながら、経過時間を確認できるようにするとよいでしょう。

 また、コメントをあらかじめ印字しています。この活動後には、生徒が提出するプリントをチェックすることになります。頻繁に取り組むほどに、その量も膨大になります。添削をして、さらにコメントを書いてあげようとすれば、かなり苦しいです。

 そんなときに、コメントの代わりとして、「深い!するどい!なるほど!」などの、あらかじめ印刷されたコメントに○をするだけで済ませる工夫をしています。継続的に続けるためにも、無理をしすぎないように、割り切るところは割り切れるように、やっとなってきました。

意見を書かせるステップ

 以下のように、生徒の実態に合わせてレベルを上げながら、意見を述べさせるための課題を与えています。

レベル1:英語で読んだことに対して、日本語で感想を書かせる
ここでは、日本語で書くことを許可し、英語で書くという心理的なハードルを下げ、まずは疑問や感想をもつことにつなげています。

レベル2:文章の内容と関連したトピックを与える
 ここでは、内容に関連した質問に対して答えを書く形式とします。内容を踏まえる必要はないので、自由に自分の考えを書きやすくなると考えた。

(例)What makes you happy?など 

レベル3:二者択一の発問を与える
 ここでは、Yes/Noや賛否を問い、内容を踏まえて書かせます。この場合は、答えの出だしがYes/Noの2パターンで、プラスの理由につなげやすいです。

例)Do you want to~?/Did you learn anything from this article?/Do you agree with~?など

レベル4:感想を書かせる
 ここでは、I was surprised that~./I was disappointed that~.などの感情を表す表現を使わせて、内容を踏まえながら理由を書かせます。客観的なことを書く必要はなく、個人的な思いを書ければよいと考えています。 

(例)What’s your impression?

レベル5:考え・意見を述べさせる
 ここでは、I think that~./I’m sure that~./I hope that~./I’m afraid that~.などの表現で、自分自身の考えと理由を書かせます。だんだんと客観的な情報を含んだ理由を書くことができるようにしたいところです。

例)What do you think about~?

レベル6:批判的・多面的にとらえる発問
 ここでは、他者の視点から考えさせることで、物事を多面的に捉えさせながら、説得力のある文章を書かせたいと考えています。

 (例)What does the writer think about~?/What do other people think about~?など

まとめ

 以上のようにして、生徒の様子を見ながら段階的にレベルを上げつつ、表現や内容の質が高まるように取り組んでいます。

 はじめは、まずは初見の英文を読むことに必死で、辛そうに取り組む生徒たちが多いです。しかし、回を重ねるにつれて、読むことにも書くことにも慣れていきました。ALTにも添削を手伝ってもらいながら、生徒の書いていることに一喜一憂しながら、継続しました。

 生徒の英作文を繰り返し読む中で、英語の表現や内容の向上もそうですが、何よりも生徒ひとりひとりの考えていることや、その子らしさに気づくことができたのがうれしかったです。

 ただし、「書くこと」は英語学習の中でも最終段階になることが多いと思います。「読んで書く」というプロセスの中に、「話す」というプロセスを入れることに、今後は挑戦したいなと思っています。なかなか、短い時間の帯活動では難しいですが、工夫していきたいです。