English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

生徒にとって活用しやすいCan Do Listの作成のコツ

 この記事を書こうと思ったのは、このブログを読んでくださっている読者の方からメールをいただいたことがきっかけです。ブログに掲載しているCan Do Listについてのご質問があり、わざわざメールをくださったことにうれしく思いました。メールをくださった先生、そして同じように悩んでおられる方のために、少しでもお役に立てたらと願いつつ、この記事を書いています。

 

3年間を見通すことなど不可能だった初任者時代

 3年間の見通しを立てることは、僕にとって本当に難しいことでした。むしろ今でも悩みの種の一つです。何年もかけてやっと、とりあえず今の形に落ち着きました。初任者のころは、Can Do Listの作成を求められてはいませんでしたが、田尻先生の学年別到達目標を参考に、自分なりのものをつくろうとしました。しかし、作り始めては挫折し、また再度考え直しては挫折し続けました。

 そんな状態の中で、Can Do Listの作成が求められはじめ、本当に苦しかったことを覚えています。とある研修で、Can Do Listの持参が求められたときに、僕は教科書準拠のものを参考にしながら、何とかその場をしのぎました。他校の先生方が、なぜこうも簡単にCan Do Listをつくることができるのか不思議でたまりませんでした。先を見通したくても、見えないものは全く見えませんでした。

 初任校での7年間は、とにかくがむしゃらに、試したいことは全てやらせてもらいました。当時の生徒たちには、今ならもっと良い授業ができたはずと、申し訳ない気持ちになります。しかし、彼らとの7年間のおかげで、自分の指導観を整理することができました。結局、初任校の7年間は悩んだあげく、Can Do Listを形にすることはできませんでしたが、ここでの学びが、今にも生きているのは間違いありません。

 少しずつビジョンができ始めた現任校

  そして、3年間を見通して考えることができはじめたのは、現在の勤務校での3年間です。その要因は2つあると思います。

 1つ目は、初任校の7年間で「3年間を見通した授業がしたい!」とあきらめずに悩み続けたことです。苦しいからと、考えることをやめていたら、今日の発見はありませんでした。ある意味、この悩みは自分にとって「心地よい悩み」であったのかもしれません。

 2つ目に、現在の勤務校では、1年間で複数学年を担当していることだと思います。初任校は大規模校だったので、1年間でひとつの学年しか担当できませんでした。たしかに、授業やテストづくり、課題チェックを複数学年分やっていくのは大変です。しかし、そのおかげで生徒が3年間でどのように成長していくのかということを、日常的に目の当たりにすることができました。

Can Do Listづくりの前にやるべきこと

 僕の経験上、Can Do Listをつくろうとする前に、「3年後の理想の生徒像をイメージすること」から始めるべきではないかと思います。僕は3年生でディベートをさせたいと考え、まずは「ディベートに必要な下地」を書き上げていきました。ディベートについては、中嶋先生の著書を参考にしています。その時のメモが残っています。

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ここまでいくと、視界が開けたかのように、あっという間に次の段階に行くことができました。ディベートのできる3年生にするためには、そこまでの2年間でどんな力をつけなければいけないのかを書き上げました。その時のメモも残っていました。

 

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 そして、出来上がったのが「身につけるべきスキル」の一覧表です。

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納得のいかないCan Do Listづくり

 これを元にしながら、Can Do Listをとりあえず作ってみました。次のものです。

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 ただ、せっかく作ってみたものの、全く活用には至りませんでした。生徒のふりかえりに活用しようと試みましたが、このCan Do Listでは生徒が自分自身の姿をイメージしづらかったのです。むしろ、「身につけるべきスキルの一覧表」の方を、生徒のふりかえりの際に使っていました。

 つまり、このCan Do Listの仕上がりには、全く納得いっていませんでした。その理由はひとつです。生徒にとって意味のあるものになってはいなかったからです。これを提示されたところで、生徒が具体的な自分の姿をイメージするのは難しい。これでは、せっかく作ったのに意味がない。

改良版のCan Do Listづくり

 そこで、新学習指導要領に本格的に移行する前に、改めて自分自身の指導を振り返りながら、「生徒にとって意味のあるCan Do」をつくることにしました。方法としては、生徒にとっては抽象的だったCan Doを、もっと具体的なものにすることにしました。

 Can Do Listを見た時に、生徒自身が具体的な自分の姿をイメージできなくてはならないと考えました。つまり、英語を使用している活動や場面が想像できなければいけないと。日常生活で英語を使う機会のない生徒たちにとって、英語を使用するのは授業やテスト。そこで、授業やテストの内容をCan Do Listに盛り込むことにしました。そうやって完成したのが、こちらです。

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まとめ

 以上のようにして悩み続けた結果、現行のものにとりあえずは落ち着きました。こんな僕でも、ある程度の形にはできたので、今まさに悩んでおられる先生方も、あきらめずに考え続けることで、必ず道は開けるはずです。また、こんなブログを見て、わざわざメールを送ってくださった先生に感謝しています。改めて、これまでの自分を振り返ることができました。

 このCan Do Listの改良によって、単元計画・授業・家庭学習・テストについても整理することができたのですが、それについてはまたの機会にまとめたいと思います。