English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

英語の授業ノートのつくり方

 英語の授業ノートはどのようにつくらせていますか?

以前に研修で先生方が話していたことの中で、「授業の板書ノート」についての悩みが多いようでした。そのときは、以下のようなお悩みが出ていたと思います。

  1. 授業ノートの構成は?
  2. 授業ノートを使った予習・復習方法は?
  3. 授業の板書を写させるのに時間がかかりませんか?
  4. 授業ノートの活用方法は?

僕なりの考えは以下の通りです。

授業ノートは何のためにつくらせるのか?

 僕たちが中学生の頃から、英語の授業ノートは存在していました。多くの場合、左ページには文法と新出単語、右のページには教科書本文と板書の解説。ただ、このノートを改めて開いて勉強したことは、ほとんどなかったように思います。むしろ、ノートを作ることが目的になっていたわけです。

 英語の授業ノートに対するステレオタイプを変えていくことがまず必要かと思います。伝統的な方法を生徒に求めれば、あまり効果のないことに、長い時間を浪費することにもなりかねません。そうなると、この市販されている授業ノートの存在意義さえ疑わしくなってきました。

 生徒がもう一度見返したいと思うような、英語学習のために役立つノートをつくらななければなりません。

授業ノートを使った予習・復習方法は?

 僕は生徒には予習を宿題として課していません。僕自身が英語学習者として、予習の重要性をあまり感じなかったからです。むしろ、自分の英語力は復習に時間をかけることで高まったと実感しています。

 僕は現在、市販の授業ノートを生徒に購入させています。配布したワークシート類を、フラットファイルにファイリングさせようかとも思いました。しかし、ページ番号がふってあることで、生徒が見返したり、整理するためにはなかなか便利です。

 僕の授業ノートは以下のような構成です。左ページには、「文法のまとめプリント」を貼らせ、新出単語を調べる。

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そして、右ページには教科書本文の授業用プリントを貼ります。
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ここで、復習として次のようなことをさせています。授業ノートの右ページのプリントには教科書本文の「語順ごとの日本語訳」がのせてあります。授業での学習後には、語順訳や日本語訳をたよりに、教科書を見ない状態で、日本語から英語に変換し、正しく書くことができるかを試します。プリントは上の部分のみを貼らせて、めくれるようにしてあります。生徒はプリントで日本語訳を確認しながら、めくりあげた下のノートに英文を再現していきます。その後は、教科書を開いて、赤ペンで自分の書いた文を採点してもらいます。

 僕が中学生の頃は、予習で教科書本文を右ページに写すよう求められていました。ただ、理解していない文を書いてくるよりも、意味を理解した文を書いて復習したほうが効果があるはずです。

板書を写させる時間を短縮しよう

 板書に時間をかけて、活動時間を減らすのは本末転倒だと思います。そこで、プリントにして配布すれば済むことは、プリントですませます。板書を写す時間は出来る限り減らすように意識しています。

 文法の導入の際は、生徒のプリントと板書が一致するように展開します。そして、生徒は板書とプリントを比べながら、空欄になっている部分のみをすばやく書き写すことができるようにしています。生徒がノートをとる際の負担や手間を省けるよう工夫します。英語の授業に限らず、書き写すことが苦手であったり、時間がかかってしまう生徒がこれほどまでに多いとは、この仕事についてから初めて知りました。

授業ノートをもう一度開かせるために

 自分自身が学生のときに、授業ノートを改めて見返すことはほとんどなかったと思います。「もう一度見返す価値があるノート」をつくらなければ、せっかくつくった授業ノートもムダになってしまいます。そのために次のような点を意識します。

  1. プリントや板書が見やすく整理されている。
  2. 自分の弱点を確認できる。
  3. 音読テストやリテリングテストの際に、授業ノートが必要になる。

 1については、作成するプリントを生徒にとって見やすく、分かりやすいものにしていく工夫をします。(でも、プリントづくりはなかなか難しいものです…。)そして、板書はすべてを書き写すことはさせず、見やすく整理されたノートにしていきます。つまづいたときに、改めて見返す参考書のようなものにできたらいいなと思っています。

 2については、復習で課している教科書本文の再現で、英文のインプットや正確性の向上を期待できます。ノートを見れば、自分自身の分かっていない文法や、書けない単語が一目瞭然です。自分の弱点を確認するために、たびたび開いてもらえるノートになればと願っています。

 3については、授業ノートを「パフォーマンステストの練習道具」にしてしまおうという発想です。音読テストやリテリングテストの練習に役立つ構成の授業ノートにしてしまえば、生徒にとっての授業ノートの価値を高めることができるのではないかと思っています。