English Classroom

中学3年間の戦略、導入・展開などの授業記録

ペア学習を授業に取り入れる方法

 中学1年生の個人トレーニング中心の時期から、中学2年生の1学期のライティング(日記や5行エッセイ)特訓の時期を経て、2学期になるとスピーキング・ライティングによるアウトプットの機会が増大してきます。2年生からはペア学習をスタートします。

 

なぜペア学習なのか?

 自分の身の回りのこと、自分の考えなど、個人的なことを発信していくためには、活動の際のパートナーが信頼できる人物であることは必要条件です。たまたま隣の席になった人に、個人的なことをペラペラと話す気になれる中学生は少ないと思います。

 英語学習がそもそも難しい。さらに「誰とでもコミュニケーションできること」まで求められては、取り組む意欲を失ってしまうのではないかと感じます。「安心できる相手・安心できるクラス」をつくることで、人間関係のハードルをできる限り低くしてやることで、思い切り英語学習に取り組むことができるはずです。

 

ペア学習の失敗談

 初めて受け持った生徒たちが中学3年になったときに、ペア学習に挑戦してみました。「この形態にすれば、授業がよりよいものになるはずだ!」と意気揚々とスタートしましたが、早くもカベにぶち当たりました。

 

「ペア学習で何をするんだっけ?」

 

そうです。本来、手段であるはずの「ペア学習」が、僕にとっては目的となってしまっていました。居心地の良い集団になったことは確かですが、目指すべきゴールのない「馴れ合い」の集団にしてしまった反省があります。

 

ペア集団のつくり方

 ペアと、それらを組み合わせてのグループづくりについては、中嶋洋一先生の実践を参考に組んでいきます。

 

  1. ペア学習の目的を伝える
  2. リーダーの役割を伝える
  3. クラスからリーダーにふさわしい人を、男女問わず5人選ぶ(クラスの半分がリーダー、半分はパートナー)
  4. 選出されたリーダーを発表する(残りの人はパートナー)
  5. リーダーはパートナーの中から、パートナーはリーダーの中から、第1希望か〜第5希望を用紙に記入する
  6. 回収した希望を見ながら、最も良い組み合わせをつくる(担任のアドバイスなども参考にしながら、パートナーの希望を優先していく)
  7. リーダーを呼んで、それぞれのパートナーを個別に伝える(希望どおりになっていない場合は了承を得る)
  8. リーダーに改めてペア学習やリーダーの役割を伝えて、使命感を高める
  9. リーダーにパートナーのところへ行き、「よろしく」の握手するようにする
  10. ペアができたら、ペアを組み合わせてグループをつくる(基本的には男女4人組)
  11. お互いに誘い合って、グループができたら、こちらに集まり、早いペアから優先的に座席の希望を聞く
  12. 他のペアに声をかけられなかったり、男女グループができなかったペアは、教師と相談しながらグループ分けと席決めをする
  13. 協力グループと、ライバルグループの確認をする

 

中嶋先生の実戦で、細かい配慮がある点は、リーダーの学習を保証するために、グループ内にも同じような力をもったリーダーが存在しているということです。また、協力して活動するグループとは別に、ライバル関係をもたせたグループもあります。この考え抜かれたシステムに脱帽です。

ペア集団のつくり方(別バージョン)

 北原先生の実践では、より簡略化されており、1時間もあればペアづくりが可能です。こちらにも挑戦してみました。

  1. ペア学習の意義、リーダーとパートナーの関係、人数割を伝える。
  2. 自分は英語を苦手だと思う人を自己申告でその場に起立させる。(この時点でかなりの人数が起立する。)
  3. ペアの数に合わせて、起立している人数を調整する。
  4. この時点で座っている人がリーダー、起立している人がパートナーとなる。
  5. リーダーの名前を黒板に板書し、パートナーを全員廊下に移動させる。
  6. パートナーに、希望するリーダーの名前を一人づつ順番に聞いていく。(誰を選んだかは知られないように配慮する)
  7. この時点で、希望が重なることなくマッチングされた場合、教室から該当のリーダーを呼び出す。
  8. 誰に指名されたかを伝え、了承が得られたら廊下にいるパートナーと握手し、教室内へ連れて帰る。
  9. 希望が重なった場合は、何も言わずにやり直しとする。(これによって、人気がなかったリーダーなのか、希望が殺到したリーダーなのか分からないようになる)
  10. 再度、残ったリーダーの中から、パートナーに希望を聞いていく。
  11. すべてのペアが決まったら、座席の希望をとる。

 

この方法のメリットは、短時間でペア決めができることです。しかし、リアルタイムで決めていく以上、うまくマッチングしない状況が必ず生まれます。その際に、生徒たちが納得する形にもっていけるかどうかが、教師の腕の見せ所となります。よって、生徒と教師の信頼関係に心配があったり、初めて受け持つ生徒がいて実態把握ができていなかったりする場合は、できるだけ避けたほうがいい方法であると感じました。

 

まとめ

  今、取り組んでいることを、より深めていくためには、ペア学習が必要であると必要性を再認識し、中学2年生からスタートしました。僕にとっては失敗以来の再チャレンジですが、今後が楽しみです。

 ペア学習を導入にあたって大切なことは、まず第一に、ペア学習で何をするのかを明確にもつこと。そして、生徒の成長のために、継続してあきらめずに働きかけつづけること。