文法導入においては、生徒にとって「必要感」を感じさせることで、納得もできるし、記憶への定着にもつながると思います。今回は動名詞の導入を、簡単な英会話練習の中で導入しました。
動名詞導入の指導の流れ
- QA Battleをすると伝える。ただし普段とは違い、今回はただひたすら単純な疑問文をつくる形式にしました。QA Battleについては以下のとおりです。
- お題は" Do you like 〜?"とします。ジャンケンで勝った人は、空欄に語句を入れて質問し、相手はYes/Noアンサーで答えます。何度質問することができたかをカウントします。
- 交代をして同じ活動をし、お互いのポイントを合計し、ライバルペアと比較し勝利ペアを決めます。
- ここで、観察中に発見した間違いを全体に伝えます。
- Do you like play tennis? という文を板書し、間違い探しをさせます。
- Youが「主語(だれ何がは)」、likeが「動詞(どうする)」で…と語順について全体にヒントを与えます。
- 「動詞(どうする)が2つある」と発言する生徒が出てきます。
- 2つめの「動詞」は本来なら「だれ何を・に(目的語)」であるべきであると気づかせます。
- そのときに必要になるのが、《動詞を名詞化》することであり、それを《動名詞》と呼ぶと伝えます。その際は、動詞をing形にするだけであると説明します。
- また、《不定詞》のto+動詞の原形でも、同じく「〜すること」という意味を表すことができると説明します。
- いくつかの動名詞を、板書しながら例示します。このときに、次の展開である3Stepモノログのテーマに関連する動名詞も導入しておきます。(raining, snowing, swimmingなど)
- 2ラウンド目のQA Battleに入ります。今度は同じ活動でも、相手がNo, I don't.と答える質問ができたらポイントが入ることにします。
- 活動後はプリントを配布し、簡潔にまとめます。
- その後は、Basic Dialogueの課題にとりくみます。もしくは、3Stepモノログへの展開にうつります。
まとめ
生徒が間違えたり、欲しているタイミングで文法導入をすると、理解や納得につながりやすいと感じました。その際は、たとえ間違えたペアがいなくても、あたかもそのような場面があったかのように、全体の前で取り上げる、教師のハッタリの力も必要です。また、「相手がNoで答える質問を考える」というちょっとした工夫で、同じ活動でも生徒の反応や盛り上がり方が全く異なります。さらに、今回の活動のおかげで3Stepモノログにもスムーズに展開でき、自分の「好き・嫌い」について英作文を書きました。見通しを持って、戦略的に授業を組み立てる重要性を改めて感じる機会となりました。
また、安心できる雰囲気をつくってやることもペア活動の成否に大きく関わってきます。中嶋洋一先生の実践を参考に、ソシオメトリーを使ったペア座席で授業を行っています。それについては以下です。