English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

Q&Aの力を高めるQA Battle

 やりとりの力を高めるために、QA Battleという活動を帯活動で行なっています。

 

「やりとり」活動の課題と工夫

今までもQ&Aのペア活動を行なっていましたが、次のような課題を感じるようになりました。

 

  • 「通じればいい」、「長く続いたからいい」というレベルにとどまる。
  • ヤラセっぱなしになっており、生徒が伸長しているかを確認しにくい。
  • やり取りの力が本当に鍛えられているかは、疑わしい。

 

そこで、次のようなポイントでの工夫をしています。

  • やり取りのためのストラテジーを身につける。
  • やり取りを生み出す「質問する力(疑問文をつくる力)」を高める。
  • 質問に対してロングアンサーで答える力をつける。
  • やり取りを繰り返すために、すばやく反応しあい、協力して活動する姿勢を養う。
  • 中学3年生のディベート活動のために、必要となる力を身につける。

 

具体的な目的は以下のとおりです。

  1. すばやく反応しあい、積極的に会話を紡ぐ
  2. 答えにプラス1文、情報や意見をつけたす
  3. つなぎ言葉を使う
  4. あいづちをうつ
  5. 相手の発言を正しく理解できているか確認する
  6. 相手の情報から、関連した追加質問をする

 

QA Battleの手順と工夫

 基本的にはペアでのQ&Aの活動です。ルールは以下のとおりです。

  1. 制限時間内に質問できた回数をカウントしポイントとする。
  2. 活動後にお互いのポイントを合計する。
  3. ライバルペアとポイントを比べ、勝利ペアを決める。
  4. 勝ったペアには「やる気シール」をあげる。

 

ペアのパートナーと対決するのではなく、合計点を他のペアと競うことで、協力して会話を紡ぐ姿勢につなげます。

 

QA Battleのパターン

  • パターン1: 教師が作成した質問リストから順番(ランダム)に質問→ロングアンサーで答える《制限時間内に一方的に》
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  • パターン2: 教師が作成した質問リストから順番(ランダム)に質問→ロングアンサーで答える《制限時間内に役割交代を繰り返す》

 

  • パターン3: 教師が指定した質問(例: What did you do last Sunday?)→ロングアンサーで答える(例: I watched a movie last Sunday.)→答えに関連した新たな質問(例: What movie did you watch last Sunday?)→ロングアンサーで答える(例: I watched Spider-Man last Sunday.)《制限時間内に一方的に》

 

  • パターン4: 教師が指定した質問(例: What did you do last Sunday?)→ロングアンサーで答える(例: I watched a movie last Sunday.)→答えに関連した新たな質問(例: What movie did you watch last Sunday?)→ロングアンサーで答える(例: I watched Spider-Man last Sunday.)《制限時間内に役割交代を繰り返す》

 

※パターン1とパターン2は、まだ疑問文を自分でつくるレベルにない段階で(中1の3学期から中2の1学期半ばまで)

※パターン3とパターン4は、疑問文をある程度自由につくることができる段階で(中2の1学期半ばから)

※パターン2とパターン4は、より「やりとり」に近い経験をさせたいときに

 

QA Battleのバリエーション

  以下にように、追加で課題設定することで、さらにチャレンジングな活動になります。

  1. 答えるときに、情報や意見をプラス1文しよう!
  2. つなぎ言葉で沈黙を避けよう!
  3. 相手の答えに、あいづちをうとう!
  4. 相手の情報に関する、追加の関連質問をしよう!
  5. 相手の答えについて、内容確認をしよう!

 

4についての指導のポイント

  • Yes/No疑問文をつくる
  • どんな(形容詞)、どのように(副詞)などの修飾語(句)をつけたして、細かく掘り下げる
  • 主語を変える
  • 時制を変える
  • 疑問詞を付け足して など…

 

5についての指導のポイント

 最も力を注いでいる部分です。代名詞変化、付加疑問文を操る力を鍛えることにもつながります。以下のように内容確認をさせています。

(例)

A: I watched Spider-Man last Sunday.

B: Wow!(まずはあいづちを)

    You (代名詞変化を)watched Spider-Man last Sunday, right?(right?もしくは付加疑問を)

A: Yes.

 

まとめ

 上記のパターンとバリエーションを組み合わせながら、目的としている力につなげたいと思います。中学1年生の3学期からスタートしましたが、中学2年生の2学期の時点で、パターン4+バリエーション5に慣れてきたレベルです。中学3年生でディベート活動を夢見て、あせらずコツコツと継続していきます!

追記

 3年生の2学期も終盤になって、教科書が全て終了し、受験勉強に突入しました。ペアでやってきた座席も解体し、他の授業と同じ一斉授業の席に戻しました。受験問題をガリガリやるだけでは、これまでやってきたアウトプットの力も弱まってしまいます。またここまでに、一方的に意見を伝える力は高めてきたつもりです。そこで、一方的な発信を、双方向の発信につなげる練習に、久しぶりにQA Battleに取り組み始めました。

 お題の質問を与えて2分間で会話をさせます。また今回は、意見•確認•関連質問をする回数は指定せず、会話の流れに合わせて自由にさせています。意見•確認•関連質問の数をカウントさせていき、相手に発言権を譲る時に消しゴムを渡します。ただし、消しゴムではカウントが難しいので、次のアイテムを使うと便利です。

 終了後は、合計数が多いペアにシールを与え、20秒ほどでデモンストレーションさせます。現在完了形が会話の中でサラリと出てきたりして感心しました。どんな成果が見られるかたのしみです。