教科書本文を扱った授業のまとめ。今回は実際にどのように授業を展開するかについてです。
前回までの記事はこちらです。
実際の授業展開
次のスライドで指示を出しながら進めていきます。
指導手順は以下の通りです。
1. 内容をイメージ(オーラルイントロダクションから/リスニングから)
●教科書は開かない。
●オーラルイントロダクション、もしくはCDを聞かせ、内容についてのイメージをふくらませる。
2. 文構造、音のつながり・消失の確認
●教科書を開かせる。
●教科書に直接、主語、動詞、音のつながり・消失の記号を書き込ませる。
●1分間で個人作業→1分間で周りと相談→授業プリント配布→裏面で各自答え合わせ。
3. 単語導入・発音練習
● 2の間に黒板に英単語と日本語訳を板書しておく。
●関連する情報などを説明しながら、発音のモデルを生徒に示し、リピートさせる。
●2分ほど個人練習の時間を与える。
●CASTで指名し成果確認。
4. 音読
●語順訳読み①〜③→ペア活動→CASTで成果確認
●虫食い読み①〜④→ペア活動→CASTで成果確認
●感情込めて音読→CASTで成果確認
5. 疑問文づくり ※1年生〜2年生2学期
●ペアで①Yes/No疑問文か、②疑問詞の疑問文をつくる役割を決める。
●疑問文に変換し、パートナーは答えを確認する。
●何分間か時間を与え、英語教師になったつもりで解説をしあう。
●推薦もしくはCASTで何人かを指名し、英語教師のつもりで全体に解説をさせる。
6. Q&A
●ペアで質問役、答える役をジャンケンで決める。
●各Round前には15秒間の準備時間をとる。
●制限時間1分以内に、全ての質問に答えることを目指す。
●質問役の生徒は、時間内にパートナーが全ての質問に答えられるように、ヒントを与えながら協力する。
●Roundごとに役割を交代する。
●何分間か時間を与え、英語教師になったつもりで解説をしあう。(ペア、グループで)
●推薦もしくはCASTで何人かを指名し、教師からの質問に英語で答えさせる。もしくは、指定された質問の答えを、英語教師のつもりで全体に解説をさせる。
7. 発展→家庭学習へ(内容に迫る活動 / Picture Describing / Retelling / Debate など)※2年生から
●授業内でペアで口頭での活動をしておく。
●口頭での活動をふまえて、家庭学習で改めて書かせる。
授業のポイント
- ペア学習が主体になるため、ペア学習のルールを徹底する。ペア学習がうまくいかない日もあるので、そのたびに生徒たちには、ペア学習の目的やルールを繰り返し伝えていく必要がある。
- 語彙指導の段階で、モデルとなる発音・発音方法をきちんと示しておく。きちんと指導されていないものを、間違えた際に指摘されても生徒は納得がいかない。フラッシュカードで次々と提示するより、板書の方が丁寧に指導しやすいので、最近はフラッシュカードを使っていません。目的に応じて、板書とフラッシュカードは使い分けをしていけばよいと思います。
- ペアでの活動後は、指名し全体の前で披露をさせる。また、その流れを生徒の意識にも定着できれば、よりペア学習が活性化する。
- 音読メニューを一つずつ全体で同時に進めていくと、ペア間で進み具合に差が生まれるため、早く終わったら個人練習という約束にする。もしくは、まず成果確認の方法を示し、一定の時間を与えて複数のメニューをペアの中でこなしていく方法もある。それならば、自分のレベルに合わせた方法でパートナーと協力しながら練習に励むことができる。
- 指名方法は工夫の余地がある。1人ずつ指名、複数人指名して競争、列で指名して競争など。指名の際には、僕はCASTを活用している。クラスごとのファイルを読み込めば、前回の授業の続きから再開できるので、生徒を均等に指名することができて便利。CASTについてはこちらに以前書いています。
まとめ
過去の反省から授業を改善し、現在は以上のような授業をしています。まだまだ改善の余地はあります。
また、ペア学習の形態をとっているため、ペア活動のルールを徹底しないことには成立しません。活動と活動の切りかえ、活動後にはすべてのペアが終わるまで自主練する、前を向く、お互いに向き合うなど、伝えることは山のようにあります。時にはリーダーを抜き出して、士気を高めていくなど、生徒たちを自律して活動できるように育てていく必要があります。なかなか一筋縄ではいかないため、怒りたくなる気持ちと葛藤しながら、生徒たちに粘り強く語りかけ、働きかけ続けます。
ペア学習については以外のとおりです。
この試行錯誤を楽しみながら、これからもしっかり授業改善に取り組んでいきます。