新しい教科書(New Horizon)で授業し始めました。ここまでの感想は、「小学校の先生スゴイ!!!」です。音声面を中心に、音声に「慣れ親しむ」ということができているおかげで、様々な場面で生徒たちの反応がこれまでとは全く違うと実感しています。特に小学校での既習事項であれば、「質問しながら対話を継続する」ということができていることに大変驚きました。
教科書のUnit1では、最初の本文から「be動詞と一般動詞」がまとめて含まれています。これまでだったら不可能としか思えませんでしたが、思った以上にスムーズに授業を展開することができました。それもこれも、小学校での指導のおかげでしょう。
教科書本文はこんな感じです。(著作権の関係もあるので表現を変えてます)
Hello, everyone.
I'm Emma Simmons. Call me Emma.
I'm from Australia. I'm twelve.
I like Japanese food. I love udon.
I usually drink green tea, too.
指導の流れ
中学校では小学校とは違って、文法についても触れて指導していくことになります。特に、以下のポイントを大切にしました。
- 小学校からの学びをつなげて、音声面での指導を中心にする
- 生徒と教師のやり取りで気持ちを引き出してコミュニケーションの楽しさを感じさせる
- 語順表を使って文法規則や語順の大切さに気づかせる
- やり取りの言語活動と中間指導の中で文法規則にだんだんと気づかせる
第1時
- 生徒とやり取りをしながらOral Introduction
- 自己紹介の音声を聞かせて、内容理解を確認
- 開本して本文を確認しながら内容確認
- 本文の英文を2つのグループに分類させる
- ペアで共通点や違いを探させて気づきを促す
- 気づいたことの確認(amが使われている/amの代わりにlikeとかdrinkがある)
- 語順表を配布して、amは「イコール」でlikeやdrinkは「どうする」に分類されることを押さえる。
- 教科書の英文を、語順表に当てはめながら音読させる。
- 次のプリントを配布して文法説明
- フォニックスのルールを確認しながら、登場人物になりきって音読練習
語順表は以下の田尻悟郎先生のサイトからダウンロードして配布します。
第2時
前の単元で、すでに自己紹介で「食べ物や飲み物」などについては扱っていました。またもや同じ自己紹介の活動では意味がないので、「質問をする」ということにチャレンジしました。最初は教科書本文の内容でやり取りしますが、最終的には自分たち自身の本当のことを伝え合わせます。
教科書本文は最初に紹介したように、モノログ形式なのがポイントです。教科書本文を引き出すための質問をつくって、まるで2人が対話をしているようなダイアログ形式に変える活動です。
- 前時を振り返って、生徒とやり取りしながら内容確認
- 音読練習
- 勝った人は教科書本文を音読するように指示(できるだけ見ない)
- 負けた人は、教科書本文を引き出す質問をするように指示
- 活動の手順が分かるように板書で簡単に説明(be動詞の文と一般動詞の文を左右に分ける)
- 1回目の活動をさせる(役割交代もさせる)
- グループでどんな質問をすればよいかを考えさせる
- 話し合った内容を共有させて板書(be動詞で1文、一般動詞で1文にとどめる、疑問詞だけは板書)
- パートナーを変えて2回目の活動をさせる(役割交代もさせる)
- どんな質問をしたかを共有して板書(ここで全ての質問を確認)
- 次は教科書の人物ではなく、自分自身のことを伝え合うように指示
- パートナーを変えて3回目の活動をさせる(役割交代もさせる)
- 教師と生徒のやり取りでフィードバック
- 伝え合った内容を踏まえて、何文か書かせてみる
- 振り返りシートに記入
まとめ
こんな感じでやってみましたが、小学校英語の学びがあったおかげで、ワイワイと楽しそうに活動していました。小学校できちんと指導されてなかったら、きっと破綻すると思いました。小学校の先生達に感謝。
生徒たちは「何となく」理解したという状態かもしれませんが、それで良かった気がしています。もしも、ルールをガッチリと説明して教え込んでいたら、きっと生徒たちの目は死んでしまっていただろうなぁと思います。
生徒の「気づき」を大切にしながら、時間をかけながら、だんだんと少しずつ指導していくことを大切にしていきたいと思います。