English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

スピーチ原稿を単元の終盤に一気に書かせてませんか?単元を通した計画的なスピーチ指導への改善にチャレンジ。

 スピーチ発表を最終ゴールとして指導する中で、こんなやり方してませんか?文法や教科書内容を扱った後に、何時間か与えてスピーチ原稿を書かせて発表。本当にこれでいいのか?他の方法はないのか?と考えて、指導方法の改善に取り組んでいます。

理想のスピーチ指導

 これまでは、前述したように学習すべき内容を一通り終えた後に、あるテーマを与えてスピーチ原稿を書かせて、何度も練習した後に発表させていました。さらに、次のようなことを考えて、別の指導方法にチャレンジしています。

  • 一気に原稿を書かせると、英語が苦手な生徒たちに大きな負担がかかる。
  • スピーチ原稿の作成に生かせる表現や文章構成を教科書で学習したら、その学びをすぐに自分の原稿作成に生かせるようにしたい。
  • 単元の流れの中で、最終ゴールをイメージしながら学習させたい。
  • 単元計画の終盤には、気づいたらスピーチ原稿が完成している状態にして、あとは練習に力を注げるようにしたい。

単元を通してスピーチ原稿をコツコツ完成させる

 とにかく教科書をページ順にこなして、それが終わったらスピーチ原稿の作成に入る授業から抜け出す必要があります。そのためには、単元計画の立て方が重要です。

 例えば、New Crown 3 Lesson1 では「好きな言葉のスピーチ」を最終ゴールとして考え、次のような単元計画をたてました。

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こだわりポイント①

 段階的にスピーチ原稿を完成させるのならば、単元の中で「スピーチ原稿の内容を考えて書く」という機会を繰り返し与える必要があると考えました。生徒は、同じような活動に何度も取り組む中で英語運用力が熟達していく(自動化が進む)はずなので、こちらがそのような機会を仕組んでいかないといけません。

 教科書を扱う中で、「好きな言葉についてのスピーチ原稿を読んでから書く」という機会は2回あります。しかし、それらは単元の中盤です。教科書以外の英文を用意すれば、序盤の段階でも同じような活動をさせることで、「好きな言葉についてのスピーチ原稿を読んでから書く」という機会を増やすことができます。

 そこで、次のような英文を作成してみました。先日、ジャイアンの「お前のものは俺のもの。俺のものは俺のもの。」という言葉には、感動のエピソードがあることを知りました。「のび太のハチャメチャ入学式」というエピソードです。それをモチーフに、のび太になりきってスピーチ原稿を書いてみました。

《表面》

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《裏面》

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単元計画ではここにあたります。

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こだわりポイント②

 前時の授業で、「スピーチ原稿のもとになる英文」が単元の序盤の段階で完成したことになります。これからは教科書を扱う中で、学習した内容をふまえて段階的に加筆・修正していきます。単元計画では、このような流れになります。

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 これによって、学習したことをすぐに生かせるばかりか、少しずつ原稿作成にも取り組むことができ、生徒の負担も軽減できるだけでなく、教師にとっても細やかにフィードバックを与えることができるのではないでしょうか。

まとめ

 単元計画をきちんとたてながら、見通しをもって指導することが少しずつでき始めた実感があります。その中で、自分なりに新たなことに挑戦している段階です。まだまだ試しているところなので、生徒の反応を見ながらよりよい指導ができるように改善をしていきます。

やってみた感想

 単元計画をふりかえりの中で見せつづけることで、生徒も終末に向けて計画的に準備したり、心構えができるようで、ほぼ計画通り進みました。しっかり練習させて、自信を持って最高のパフォーマンスをすることは難しいかもしれないけれど、限られた時間の中での最高のパフォーマンスを出す力につながると思います。

 ただ、時間短縮のために、発表もグループごとにしたため、一人一人クラスの前で発表するのと異なり、評価方法に悩みました。

 結局、全体は教室でパソコンをもたせて、僕の作ったオンライン学習を各自でやりながら、同時にグループごとに別室で発表させて、僕が評価しました。学習指導要領も変わるので、評価についてはかなり悩んでいます。

初見の英文を読ませる方法についてはこちら