English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

中学3年生最後のスピーチづくり①(読む→話す〔やりとり〕の技能統合)

 3年間の集大成として、卒業スピーチにチャレンジしました。タイトルはいろいろ悩んだ末に"My Treasure"にしました。

 1時間目は「中学校生活の思い出」についてのモデルスピーチを読んで、ペアでやりとりをしながら、「読む」から「話す」の技能統合の活動にチャレンジ。この活動を通して、最終目標のスピーチの内容に向けてのブレインストーミングも兼ねています。

モデルスピーチを読む

 次のような手順で読ませていきます。

  1. モデルスピーチを配布する。(例:過去の先輩のスピーチや、Sunshine 3より「中学校生活の思い出」を引用)
  2. 「筆者の最も伝えたいこと」を探すように指示し、目的をもたせる。
  3. 時間を与えて読ませる。
  4. ペア•グループで、選んだ答えとその根拠を話し合う。
  5. 意見を全体で共有。
  6. 「要点」を探すポイントの確認。

話す〔やりとり〕への技能統合

次の流れで展開していきます。

  1. 英文の内容をふまえてTeacher's Talkをする。
  2. 簡単な発問を入れながら、生徒とインタラクションを図る。
  3. 生徒自身のことにつなげる発問をする。(例:What do you think about his message?)
  4. 1ラウンド目は隣のパートナーとやりとり。ジャンケンで勝った人から質問をします。
  5. ペアに1つずつカウンターをもたせ、主張や質問のたびにカウントします。
  6. カウンターを渡して発言権を移しながら、やりとりを繰り返します。
  7. 1ラウンド目のあとに中断し、振り返りタイムをとる。その際、ペアで協力しながら、ノートにすばやく、やりとりを書き起こしていきます。
  8. 机間巡視で、「会話が詰まった発言•質問」、「言いたかったけど言えなかったこと」などを拾います。
  9. 全体でシェアすべきものをピックアップし、会話を続けるための方法を考えさせます。
  10. 小さなホワイトボードを渡し、グループごとにアイデアを書かせて発表させます。
  11. 振り返りタイムをふまえて、2ラウンド目へ。
  12. 今度は前後ペアで、同じ質問で再チャレンジします。
  13. 活動後には、2ラウンド目のやり取りを振り返ります。
  14. 宿題として、改めてWhat do you think about his message?で意見文を書かせます。
  15. シェアできなかった手順8と手順9の内容は英語通信で触れる。

英語通信の活用

 やりとりを続ける方法について、英語通信で後日振り返りやまとめをしました。また、よくある誤りについては「あなたも英語教師」のコーナーで確認。

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まとめ

 このように、モデル文を読んで、その内容を踏まえながら感想を言わせていきます。これによって、自分だったらどんなスピーチ内容にするかを考える機会をつくることができます。

 ただし、「初見の英文を読む→話す」という技能統合的な活動に取り組むには、そのための下地づくりが欠かせません。中3の最後に突然やってみたところで成功するはずはありません。その部分については、また改めて記事として残したいと思います。