English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

長文を扱う授業の指導方法④(リテリングの授業について)

文章内容を理解した後は、リテリングを通して自分の言葉で語る活動をさせます。

授業の流れ

  1. 教科書を開いて、CDの音声に合わせて本文を指さしながら、リスニング
  2. 音読する(コーラスリーディング or Read and Look up)
  3. 教科書を閉じる
  4. 黒板にピクチャーカードを貼る
  5. 口頭でQ&Aをしながら、キーワードを板書する
  6. 黒板を示しながら、教師がリテリングの見本を示す
  7. 生徒は1文ごとにリピートする(全体→個人指名)
  8. 成果発表の方法を伝える
  9. 時間を与え、リテリングの個人練習
  10. ペア・グループでの成果発表(全員)
  11. 全体での成果発表(数人)

指導上の留意点

  • 前回の授業までに、Q&A、音読、虫食い読みなどで理解と定着を図っておく。
  • 教師がリテリングの見本を示す場面では、全体でリピートさせた後に、個人指名してリピートさせる。これによって、生徒が本当にできるようになっているのか確認することができる。
  • 個人練習に入る前に、成果発表があること、やり方などについて知らせておくことが大切。目標をもたせ、軽いプレッシャーを与えて練習を活性化させたい。
  • リテリングの練習時に、聞き手に質問するなどの工夫のポイントを伝える。
  • 成果発表の場面では、聞き手が“Tell us(me) the story!” と言い、発表者は “All right!”と言い、リテリングを始める。

生徒の全体発表の様子

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 全体での成果発表の段階になると、生徒が自主的に発表しようとせずモジモジしたり、下をうつむいて当てられないようにします。自分には関係ないと、教科書をパラパラめくったりしながら、他人のフリをしている生徒も見られます。こんなときにどうすればよいのでしょうか。
 1学期などの、クラスの人間関係ができていない場面では、教師が指名したり、くじ引きで当てたりという方法で進めてもよいと思います。しかし、いつまでもこれを続けていては、生徒たちの積極性・自主性は育ちません。だんだんと生徒たちはこんな風に考えるようになると思います。「このまま挙手せずに黙っていたら、先生は困り果てて、誰かを指名してくれるだろう。もしくはこの活動をあきらめて中断してくれるだろう。だからこんな時は黙っておくのが得策だ。」と。
 そこで、クラスの雰囲気ができてきたら、僕も心を鬼にして覚悟を決め、「いつまでも待つよ」という姿勢を貫けるようにがんばっています。しかし、沈黙が続くほどに、挙手できる雰囲気ではなくなってきます。そういう時は、「パートナーに『君ならできるよ』と背中を押してあげよう」と声かけすると、不思議と和やかなムードになります。様子を見ながら、「手を挙げようとウズウズしている人が見えるなぁ~。」「がんばってほしいなぁ~。」などとつぶやきながら待っていると、勇気を出して手を挙げる生徒が出てくることが結構あります。しっかりみんなで拍手をして、勇気を讃えてあげます。

プリントの例

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まとめ

 リテリングによって、既習事項をフル活用しながら、理解した英文を再生する訓練ができます。さらに、本文の内容に関するトピックで、自分の考えを自分の言葉で語る授業に展開し、より高次のアウトプットにつなげるようにしたいところです。そうすることで、既習事項を改めて使いながら定着につなげることができ、リテリングの授業が生きてくるのではないかと思います。