文章内容を理解した後は、リテリングを通して自分の言葉で語る活動をさせます。
授業の流れ
- 教科書を開いて、CDの音声に合わせて本文を指さしながら、リスニング
- 音読する(コーラスリーディング or Read and Look up)
- 教科書を閉じる
- 黒板にピクチャーカードを貼る
- 口頭でQ&Aをしながら、キーワードを板書する
- 黒板を示しながら、教師がリテリングの見本を示す
- 生徒は1文ごとにリピートする(全体→個人指名)
- 成果発表の方法を伝える
- 時間を与え、リテリングの個人練習
- ペア・グループでの成果発表(全員)
- 全体での成果発表(数人)
指導上の留意点
- 前回の授業までに、Q&A、音読、虫食い読みなどで理解と定着を図っておく。
- 教師がリテリングの見本を示す場面では、全体でリピートさせた後に、個人指名してリピートさせる。これによって、生徒が本当にできるようになっているのか確認することができる。
- 個人練習に入る前に、成果発表があること、やり方などについて知らせておくことが大切。目標をもたせ、軽いプレッシャーを与えて練習を活性化させたい。
- リテリングの練習時に、聞き手に質問するなどの工夫のポイントを伝える。
- 成果発表の場面では、聞き手が“Tell us(me) the story!” と言い、発表者は “All right!”と言い、リテリングを始める。
生徒の全体発表の様子
全体での成果発表の段階になると、生徒が自主的に発表しようとせずモジモジしたり、下をうつむいて当てられないようにします。自分には関係ないと、教科書をパラパラめくったりしながら、他人のフリをしている生徒も見られます。こんなときにどうすればよいのでしょうか。
1学期などの、クラスの人間関係ができていない場面では、教師が指名したり、くじ引きで当てたりという方法で進めてもよいと思います。しかし、いつまでもこれを続けていては、生徒たちの積極性・自主性は育ちません。だんだんと生徒たちはこんな風に考えるようになると思います。「このまま挙手せずに黙っていたら、先生は困り果てて、誰かを指名してくれるだろう。もしくはこの活動をあきらめて中断してくれるだろう。だからこんな時は黙っておくのが得策だ。」と。
そこで、クラスの雰囲気ができてきたら、僕も心を鬼にして覚悟を決め、「いつまでも待つよ」という姿勢を貫けるようにがんばっています。しかし、沈黙が続くほどに、挙手できる雰囲気ではなくなってきます。そういう時は、「パートナーに『君ならできるよ』と背中を押してあげよう」と声かけすると、不思議と和やかなムードになります。様子を見ながら、「手を挙げようとウズウズしている人が見えるなぁ~。」「がんばってほしいなぁ~。」などとつぶやきながら待っていると、勇気を出して手を挙げる生徒が出てくることが結構あります。しっかりみんなで拍手をして、勇気を讃えてあげます。
プリントの例
まとめ
リテリングによって、既習事項をフル活用しながら、理解した英文を再生する訓練ができます。さらに、本文の内容に関するトピックで、自分の考えを自分の言葉で語る授業に展開し、より高次のアウトプットにつなげるようにしたいところです。そうすることで、既習事項を改めて使いながら定着につなげることができ、リテリングの授業が生きてくるのではないかと思います。