Q&A の力は3年間を通して身につけていくべき最も重要なスキルと考えています。最終的には、口頭での質問にクールアンサーで口頭で答えさせることができるように、段階的に指導していきます。
1段階目
Q と A のどちらもプリントに印刷してある状態にしています。
これによって、不安であればいつでもプリントを見れば活動をすすめることができます。ショート・クール・ロングの答え方のパターンに慣れ、誰もが取り組めるようにすることを意図しています。ペア活動→全体で代表者が発表という流れで進めます。
2段階目
Qはプリントの表面、Aはプリントの裏面に答えを印刷します。
(プリント表面)
(プリント裏面)
これによって、答えをいつでも参照できるわけではないので、活動をレベルアップさせることができます。ペア活動→全体で代表者が発表という流れで進めます。
3段階目
一斉授業のスタイルで教師が全体に口頭で質問していきます。ペア活動を入れないだけで、グッと緊張感が増します。沈黙する生徒たちとの格闘がはじまります。この段階では必要に応じて、質問を板書してあげます。また、答え方を視覚的に確認できるようにサポートします。例えば、「だれ何が・は」「どうする・イコール」などの語順についての掲示物を黒板に貼っておき、それらを示しながら支援します。
4段階目
一斉授業のスタイルで教師が全体に口頭で質問をしますが、あえて視覚的に質問を確認できない状態を貫きます。3段階目と同じ支援が使えます。状況によっては、しっかり個人で悩ませておいて、ペアで相談させることも効果的です。
指導上の留意点
- 3段階目、4段階目での生徒の発言のさせ方ですが、まずは挙手での発言を求めることができます。もしくは、口頭での質問に対して、即座にクラス一斉に答えさせることもできます。
- 発問の仕方を工夫することで難易度が変わります。「事実発問」「推論発問」「評価発問」を使い分けることが考えられます。
- 主語は四角、動詞は二重線させることを習慣づけると、答え方のヒントを図示しながら与えることができるので、大変便利です。
まとめ
実際のコミュニケーションの場面では、相手の質問を文字で視覚的に確認できる状況は少ないはずです。口頭での質問に答えさせる第3段階・4段階目は、まさに生徒たちとの格闘です。生徒は沈黙し、お互いに苦しい状況が発生しますが、こちらも逃げずに指導していきたいところです。その際に、目の前の生徒に合う支援をしてやりながら、長期的な視点で生徒の力を高めていくことが大切であると思います。とにかく「継続」です。
この活動で「質問に答える」ことを鍛えていきますが、「疑問文をつくって質問する」というトレーニングも大切です。どちらもバランスよく鍛えながら、Q&A の力を高めていきます。