English Classroom

中学3年間の英語の授業アイディア、英語教育についての考え・悩みを日々記録しています。

「やりとり」「即興性」「流暢さ」という言葉に踊らされるな!

最近、勝手に心配していることがあります。

「やりとり」、「即興性」、「流暢さ」という言葉が独り歩きしている!

そのおかげで、小学校の先生を含む全ての英語教師は悩んでいるし、現場は混乱していると感じます。

危惧される状況

 とにかく「即興性」、「やりとり」というキーワードを頼りにしながら、「流暢さ」という言葉に勇気をもらい、即興で話をさせてみる。制限時間や指定された回数だけ会話が続いていたようだから「よかったね~」のように褒めてあげる。でも、クラス全体のやりとりなんてモニターできるはずもないので、それがグズグズの展開でもフィードバックも与えることもできない。そして不安はありながらも、とにかく「通じればOKさ!」「長く会話が続いていたからOK!」と自分を慰める。

 でも「これではいけないな」と思いながらも、その段階を越えることはない。むしろ越えようとすれば教科書の言語材料からも離れていく気がするし不安。さらに教師自身も正しいかどうかの自信もない。そうなると、活動で使う表現を限定しすぎてしまい、生徒が「これ言いたいなぁ~」「これ英語でなんて言うんだろう~」みたいな意欲を出したら、それを「拾って広げてやりたい!」と思いながらも「待った」をかけてしまう。

 そして、どんどん生徒の興味・関心が薄れた活動になり、意欲も低減していく。活動を促してもやる気のない生徒を見ると、その理由は重々分かっているにもかかわらず、彼らに怒りをぶつけてしまい、自己嫌悪に陥る。そしてどんどん英語嫌いの生徒と教師が増えていく。

英語の授業のために小学校の先生がやるべきだと僕が思うこと

 1つ目は、良いクラスをつくること。心地よい雰囲気の中で安心して生活できるように。そして、仲間を信頼することができるように。

  学級崩壊をしていたと言われる生徒たちを受け持つと、人前で発表や意見を言うことを恐れる傾向にあります。性格的におとなしい子たちにとってはなおさらです。自分の意見を人が聞いてくれ、受け入れてくれるという体験を繰り返すことでしか、この不安を取り除くことはできないと思います。負の遺産となった過去を乗り越えるには、かなりの時間と労力がかかります。むしろ英語を教える以上に難しいと感じています。

 2つ目は、日本語で自分の考えを述べることができるようにすること。小学校の段階で、日本語で意見を述べる話型やスキルがきちんと身につくように。

 中学校に入学してすぐに驚くことが度々あります。それは小学校で身につけたスキルが発揮されている場面です。簡単に自己紹介や抱負を発表させてみたときに、上級生よりも上手に発表することができるのです。小学校で身につけたことは中学校でも通用するし、日本語のスキルは英語学習にも間違いなく応用できます。(中学校はそれらのスキルをさらに向上させなければならないにもかかわらず、僕はできていないのが現状です。そういう意味での小中連携をしていかなければならないですね…。)

 小学校段階で、自分の自分の意見を人前でも勇気を出して伝えることができるのならば、中学校にとって最高の形です。きっとその姿勢は中学校の英語の授業で生かされます。

 3つ目は音と文字の指導。田尻先生の田尻悟郎の楽しいフォニックスで、みっちり音と文字の関係を学んだ生徒が入学してきてくれたら、夢のようです。

英語の授業のために中学校の先生がやるべきだと僕が思うこと

  はっきり言って、中学校での英語教育の方法論はすべて出尽くしているといっても過言ではありません。そして、何かをやれば劇的に生徒の英語運用能力が伸びるなどという、魔法の方法もありません。必要なのは、次の3つであると思います。

 1つ目はバランス感覚。僕は「正確さ」も「流暢さ」も必要ではありますが、「正確さ>流暢さ」であると信じています。それらを生徒の発達段階に応じて、上手に使い分けることができることが求められていると思います。

 2つ目はビジョン。生徒を3年間でどう育てたいのかという、ブレない芯のある指導を継続していくことです。ビジョンをつくるためには、他者や本から学ぶこと、そして自分の失敗から学ぶことが不可欠です。僕の3年間の計画はこんな感じです。

 3つ目は生徒との関係づくり。どれだけ指導方法がすばらしくても、ひとりよがりで、生徒がついてこないのでは意味がありません。授業は、生徒との格闘です。良いことばかりでなく、つらいことや、しんどいこともありますが、情熱をもって生徒と関わることできっと信頼関係を育むことができます。靜先生の「英語授業の心・技・体」の25ページにある「プールで泳ぎを教えるコーチ」の図をぜひ見ていただきたい。

まとめ

 新学習指導要領の大きくレベルアップした目標を達成するには、小学校からの積み上げが不可欠です。そのために中学校教師である僕たちは、しっかり小学校卒業時の姿を把握するとともに、そこまでの積み重ねを生かしながら力をつけていく方法を早急に考える必要があります。

 小学校の先生たちは、児童を上手に扱い、授業においては彼らを引き付ける工夫に余念がありません。きっと、新学習指導要領の高いレベルにもっていくことができるのだと思います。だからこそ、僕たち中学校教師もがんばらなくてはいけません。

 流行りのバズワードに惑わされることなく、本質を追求し続ける指導者でありたいです。

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