教科書本文の指導手順についてのまとめ。今回は指導の目的についてです。
自分の授業を振り返る
教科書本文を扱う授業で、生徒がどんな力を身につけたのか。自分の授業の前後で、生徒の何が変容したのか。自分の授業を振り返った時に、残念なことに、それらがすぐに頭に浮かびませんでした。良かれと思って続けていたにもかかわらず、気づけば目的意識の低い授業になっていました。
本当に生徒が鍛えられているか?
自問自答を繰り返すうちに、次のことがハッキリしました。僕の授業は「何となく意味がわかって、音読して終わり」という域を出ていない。他の実践を参考にして、様々な音読方法のバリエーション(〇〇読み、Overlapping、Read and Look up、Shadowing..などなど)をやらせることで、生徒に力がついているような錯覚をしていました。何種類もある音読方法をこなすだけで、どんな力を身につけようとしていたのでしょう…。
まとめると、次のような授業になっていました。
①ペア活動するけど必死さなし。
②テンポのよさを求めて、一方的な展開。
③音読練習させっぱなし。
④緊張感やプレッシャーなし。
⑤正しい発音を目指す。ただし音読練習で終わり。
⑥授業プリントがペア活動時に使いづらい。
⑦授業プリントを家庭学習で活用しづらい。
改善のための方向性
問題点から以下のように改善策を考えました。
- 活動後には必ず全体の前で成果をチェック(①②③④)
- 伝わらない発音は指摘する(③④)
- 英語を自分で操作する活動を入れる(⑤)
- 意味を伝え合う活動を入れる(⑤)
- ペア活動で使いやすいプリント作成(⑥)
- 家庭学習で個人練習に使えるプリント作成(⑦)
鍛えるべき生徒の力
教科書本文を扱う授業で「鍛えるべき力」とは何かを考えはじめました。その結果、今は次の力を主に鍛えるために授業を行なっています。
- 負荷がかかっても正しい発音ができる。
- 音のつながり・消失を見抜き、実際に発音ができる。
- 文構造を見抜くことができる。
- 肯定文から疑問文への変形を自在にできる。
- 代名詞変化を自在にできる。
- 内容に関する質問にクールアンサーで答えられる。
- 感情を込めて音読することができる。
- 教科書の内容や挿絵について英語で説明できる。
まとめ
上記の改善策、鍛えるべき力を反映して授業を構成していきます。書籍やDVDで、教科書本文を扱う授業のアイデアはたくさん学ぶことができます。しかし、それらをいくら上手に組み合わせても、ツギハギだらけの一貫性のない授業に陥ってしまうケースは僕だけではないはずです。指導の根底に「3年後の理想の生徒像(指導の目的)」を確立することが必要です。
「ゴールから考えましょう」とバックワードデザインの重要性が叫ばれています。授業1時間のゴールをイメージすることは簡単です。しかし、3年間の指導をイメージすることは、僕にとってはとてつもなく難しいものでした。ただ、それでもあきらめず、粘り強く考え、悩み続けることが大切です。その過程で、「何のためにやっているの?」「何となくやってない?」ということを自問自答し続けることも役に立ちます。僕は何とか3年間のイメージがつくれたかな?のレベルです。考え始めて5〜6年だと思いますが、いつになったら答えにたどり着くのでしょうか?どこまでいっても悩みは尽きません!
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