語彙力向上のために以前に次のように書きました。
スペリングを言わせるメリット・デメリット
ここで述べたように、日本語から対応する英単語を言う、さらに英単語を日本語にするだけでは、スペリングに対する意識は高まっていきません。4月から授業の中で90秒クイズに取り組む際は、スペリングのチェックも含むようにしました。その際、フォニックスの知識なしには、音を文字に置き換えることはできません。必ずフォニックス指導を継続して行う必要があると思います。
この活動の中で、スペリングを覚える必要性を感じたり、フォニックスルールの再確認ができました。今まで自分が担当していた生徒よりも、正しく英単語を綴ることができるようになった生徒が増えた感触があります。
その反面、90秒クイズと言っておきながら、スペリングのチェックを含むと、到底90秒では終わりません。ペアでの活動のため、交代を含めると、かなり授業時間を圧迫していまうのがデメリットです。
90秒クイズの改善と指導手順
そこで、次のようにワークシートをつくりました。
□□□□□□の上にEと書いてある第1回目、第2回目は日本語→英語、Sと書いてある第3回目は英語→スペリングという風にしました。それぞれを個別にチェックすることで、活動に時間がかかりすぎるという問題点を改善できます。
クラスルームイングリッシュを増やそう
「授業は英語で」と言われている中で求められているのは、教師による英語使用だけでなく、生徒による英語使用であると思います。我々教師が英語を使うだけでなく、適切な場面で、適切に英語を使うことを、生徒自身ができるようになるほうが大切ではないかと思います。
場面設定もない状態で、生徒が自由に英語を使うのは難しいので、90秒クイズという活動の中で、「どんなことを英語で言ってみたいか?」ということから考えることにしました。この活動のなかで、パートナーに言いたい表現は以下の通り。
- 何が違うの?
- 何個言えた?
- やった!
- やるね!
- 聞こえません…
- 大きい声で。
- すばらしい。
- パス。
- おしい。
- 違うよ。
- 正解してる?
- わかりません。
- そのとおり。
- もう一度言って。
これらを、90秒クイズの活動後に生徒にあげさせ、ALTの先生に、どうやって英語で表現するかをその場で教えてもらいました。英語にしたものは、以下の通り。
- What's wrong?
- How many words did I (you) say?
- I did it.
- You did it.
- I can't hear.
- Loud voice.
- Great./ Amazing./ Wonderful./ Excellent./
- Skip. / Pass.
- Close.
- That's wrong.
- Is it right?
- I don't know.
- That's right.
- One more time.
これらの表現は、授業で使うノートの最後のページにメモし、すぐに見れるようにさせました。今後の90秒クイズでは、英語でやりとりをしながら活動するようにするだけでなく、追加の表現をさらに増やしていきながら、生徒が使える英語の幅を広げていけたらと考えています。
また、活動前後には目標の単語数と結果を英語で質問させます。指導したいターゲットの文法でこの表現を置き換えて、繰り返し何となく使わせておきます。慣れてきた頃に意味確認と文法説明をしてやれば、新文法の導入が完了します。僕は、特に助動詞の導入でこのようにしています。